エクステリア工事計画の注意点~フェンス工事~
こんにちは。1級エクステリアプランナーの井出です。
前回はブロック工事の注意点についてお話ししました。簡単におさらいしてみましょう。
- 隣地との境界線を明確にしておく
- ブロックは境界線から3cm~5cm離して積む
- 工事の順番は「ブロック工事→お住まい建築→フェンス設置」がベスト
- ブロック工事の前に希望のフェンスを決めておく
今回は、ブロック工事とも密接な関係にあるフェンスについてのお話になります。
フェンスを設置する目的
敷地内にフェンスを設置する目的として、以下のようなものが挙げられると思います。
- お隣との間の柵として敷地を明確にする
- 駐車場とお庭を区切るため
- 道路からの進入防止などの防犯目的
- 目隠し
フェンス工事を考えるにあたり、目的に応じた種類のフェンスを選ぶことになりますが、フェンスにも非常に多くのタイプがあります。
業者から提案されたものの中から選ぶのか、ご自身でいろいろと探してみて選ぶのか、どちらにしても先にある程度のタイプを知っておくことが大切です。
以下にフェンスの種類を簡単に挙げてみます。
フェンスの種類や用途いろいろ
フェンスの形状
まずは、基本的なフェンスの形状から挙げていきます。
メッシュフェンス
素材はアルミで、他のタイプと比較するとフェンス同士の連結が頑丈です。
縦格子フェンス
すっきりとしたシンプルなタイプで、昔から変わらず主流のフェンスです。
横格子フェンス
縦格子同様、多くのお住まいに選ばれているタイプです。
完全目隠しフェンス
外からまったく見えないようにしたい方に選ばれています。
半目隠しフェンス
完全目隠しでは死角が生まれるのでかえって侵入しやすいという面があり、防犯上気になる方は半目隠しがおすすめです。
ルーバーフェンス
完全目隠しをしつつ、風通しも確保できるタイプです。
フェンスの材質
木調フェンス
天然の木ではないので腐食の心配がなく、ナチュラルな木調をお好みの方に支持されています。
アルミ鋳物フェンス
通常の鋳物に比べお値打ちで、一般的なフェンスでは表現できないオシャレな形が好まれています。
スチールメッシュフェンス
価格面でもデザイン面でも簡易的なフェンス設置をお考えの方に選ばれています。
お住まいにも和風・洋風・和モダン・シンプルモダン・カントリー風など様々なタイプがありますよね。フェンスはそのどんなタイプのお住まいにも合うように、様々な形状・色などがあります。
メッシュタイプや縦格子、横格子はどんな建物にも合わせやすい万能タイプであり、かわいらしいお家を選ばれている方はアルミ鋳物のような表情のあるフェンスを、カントリー風を選ばれている方は木調のものを選ばれたりとお家のタイプに合わせて選ぶことがお家を引き立てるフェンス選びのコツです。
フェンスのカラー
フェンスの色はブラック・グレー・ブラウン・ホワイトのアルミ色(※商品によってない色もあります。)などがあり、木調も濃いめの色から薄いものまでいろいろなバリエーションが揃っています。
色を選ぶ際は、サッシの色に合わせて選ぶことがおすすめです。木調を選ぶ際は玄関扉の色に合わせて選ぶとお家との統一感が出ます。
例えば同じグレーでもメーカーが違えば色の濃淡が異なってきます。サッシや玄関扉を扱う大手メーカーはエクステリア商品も取り扱っていることが多いため、フェンスも同じメーカーで揃えると色の違いが出なくなるのでおすすめです。
しかし、例えばサッシがブラックだからフェンスもブラックに…となると、黒いフェンスというのは非常に存在感が出てしまいます。
フェンスをあまり強調したくない方は、サッシや玄関扉の色にとらわれずに、適宜フェンスの色を変えていただいてもいいでしょう。
フェンスの高さ
フェンスは基本的にブロックの上に設置していきます。ブロックの高さを計算に入れて、希望の高さになるようフェンスを選びましょう。
フェンスの高さが足りないときは、上に連結できるタイプのものもありますのでご安心ください。
あまりに高くし過ぎて圧迫感が出てしまってもいけませんし、かといって高さが足りなくてご近所や道路から人の視線が入ってしまってもいけませんので、外構業者の担当者に相談に乗ってもらいながら綿密に高さを決めていきましょう。
フェンスの価格
デザイン性の高い物や機能性の高いものを置きたいけど、やっぱり気になるのは価格面。当然ながらメーカーによって金額はまちまちですが、お値打ちな順番で挙げていきますと、以下のようになります。
- スチールメッシュフェンス
- 縦格子フェンス
- メッシュフェンス
- 横格子フェンス
- 半目隠しフェンス
- ルーバーフェンス
- 完全目隠しフェンス
- 木調フェンス
- アルミ鋳物フェンス
※メーカー、グレード、サイズにより順番は変動することもございます。
中には、メーカーの販売戦略として期間限定で割引率が高くなっている商品もあります。
フェンスは特にお住まいの外観を大きく左右する大事なアイテムですので、業者と交渉しながらご予算の中で上手に選んでいきましょう。
最適なフェンスの選び方
では、予算と目的に見合った上手なフェンス選びは、どんな点に注意すればいいのでしょうか?
繋がり合う場所であっても目的に応じて種類を変える
敷地の外周をフェンスでぐるりと囲う場合、同じフェンスですべて囲っていないとおかしいのでは?とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、道路からの視線を遮るためのフェンスと、隣地との境界線に設置するフェンスでは目的が異なりますので、必ずしも同じフェンスで囲う必要はありません。
接している道路の交通量や、向かいに店舗があるか?住宅地なのか?という条件によっても変わってきます。
隣地との境界線などのあまり人目に触れないところはお値打ちなフェンスを選び、道路に面していたり目隠しを必要とする範囲は目隠しフェンスを選択するなど、部分的な使い分けがコストダウンにも繋がり、より効果的なフェンス選びのポイントと言えます。
必要な高さ・幅を知る
フェンス設置において重要なのは高さです。図面で見た限りでは問題ないと思っていざ設置をしてみると、予想していたよりフェンスの高さが低かったまたは圧迫感があった、などの声をよくお聞きします。
以前のブログ「エクステリア工事の契約前に注意しておくべき2つのポイント」でもご紹介いたしましたが、フェンスにおいても実際に現地に立って配置や高さの確認を行うことが最も大切です。
フェンス工事の注意点まとめ
私が過去にエクステリア業者としてお客様と打ち合わせをしていた際には、最終打ち合わせは必ず現地で行い、お客様が必要と思われるフェンスの高さや幅を体感していただいていました。
特に目隠しフェンスは、目的が「目隠し」であるため、失敗できないポイントの一つでもありました。
お隣のお家の間取り、玄関の位置や窓の位置・高さ、道路からの視線位置など現地には多くの情報があります。
お庭部分に立っていただく、お部屋のリビングから外を眺めていただく、道路からお家を眺めていただく。いろいろな場所・角度から見ていただくことによって、どのくらいの高さや幅が必要なのか、メジャーで高さや幅を表現しイメージを持っていただくことが、失敗しないフェンス選びや納得感に繋がるものだと考えていました。
敷地まわり全体を囲えば当然ながら枚数が増えますので、選ぶ商品によって大きく外観やコストが変わってくるフェンス。
どのようなデザインのものがどのメーカーにあるのか、いくらぐらいのものなのかをぜひ事前に知っていただき、ご自身のお住まいに合ったフェンスを上手に選択していただきたく思います。
フェンスについての詳しいご説明は、「くらそうねエクステリアQ&A」でも記載しておりますので、そちらもご参照ください。
次回は駐車場の顔でもあるカーポートについてお話しします。