エクステリア工事計画の注意点~カーポート~
こんにちは。1級エクステリアプランナーの井出です。
前回はフェンス設置の注意点についてお話ししました。簡単におさらいしてみましょう。
- フェンスを設置する目的ごとにデザイン・材質を選ぶ
- お住まいとの統一感を出すには、サッシの色を揃える
- 設置するフェンスの幅・高さは現地に行っていろいろな場所から確認して決める
今回は、フェンスと同じくらいにエクステリアの中で大きな面積を占める、カーポートについてお話ししていきます。
外構工事Q&Aでもカーポート工事に関する基本のご説明をしておりますが、今回はより詳しく解説していきたいと思います。
カーポートを設置するメリット・目的いろいろ
(参照:LIXIL Webカタログ)
これから初めてマイホームを建てるという方にとってはあまり耳慣れない名前かもしれませんが、カーポートとは駐車場に設置する屋根のことです。
当然のことながら、車は風雨にさらされれば傷みやすくなりますし、汚れやすくなります。やはり屋根がないよりはあったほうが安心ですよね。
他にも、カーポートを設置するメリットにはこんなものがあります。
- 夏場の車内温度上昇を抑えたい
- 冬場、積もる雪から守りたい
- 玄関まで雨に濡れずに行きたい
小さなお子様がいらっしゃるとか、車の乗り降りに少し時間がかかるご家族がいらっしゃる場合、やはり雨の日などは傘をさしたまま急いで車と玄関を行き来するのは危険ですし、不便を感じます。
近年の酷暑で車内温度はかなりの高温にまで上昇しますので日陰に駐車したほうがより安心ですし、積雪の多い地域でももちろんカーポートは必要です。
フェンス設置の際も、その目的に応じた材質や形状を、とお伝えしましたが、カーポートもそれは同じです。
お住まいの地域の天候(風が強い地域とか、黄砂などが降ることがあるとか)など、あらゆる側面から最適なカーポートを選んでいきましょう。
カーポートの形状
一般的に多く選ばれているタイプは、以下の2種類になります。
ラウンドスタイル
(参照:LIXIL Webカタログ)
昔からある、屋根がR形状となったタイプです。
幅広く調和するベーシックなデザインとして親しまれています。
フラットスタイル
(参照:LIXIL Webカタログ)
フラット形状の屋根が特徴的なタイプです。
シンプルモダンや和モダンに調和するシンプルなデザインです。
カーポートの柱
設置する柱も、駐車場の形状や位置によっていろいろな種類が選べます。
Y合掌タイプ
(参照:LIXIL Webカタログ)
1台分のカーポートの柱を中央に背中合わせにして連結します。柱が外側にないので圧迫感がありません。
後方支持タイプ
(参照:LIXIL Webカタログ)
前方に柱がないので、車の出し入れ・乗り降りもスムーズです。
片側支持タイプ
(参照:LIXIL Webカタログ)
こちらも出し入れしやすく、限られたスペースを上手に使うことのできるスタイルです。
ロング柱
車高の高い車であったり、車の上部にルーフボックスを設置されている方には、高さのある柱もご用意があります。しかし、あまりに高すぎると風雨の舞込みがありますので、業者に相談しながら最適な高さを選びましょう。
サポート柱
(参照:LIXIL Webカタログ)
一般的な1台分のカーポートにサポート柱を設置することで、耐積雪や耐風圧を高めることができます。風の強い地域や、積雪の多い地域におすすめです。
カーポートのオプションいろいろ
他にも、さまざまな目的や用途に対応できるようたくさんのオプションがあります。
基本+延長タイプ
(参照:LIXIL Webカタログ)
車の背後や横に自転車やバイクを置きたい場合、通常のサイズから延長することができるタイプ。
側面パネル
(参照:LIXIL Webカタログ)
横から吹き込む雨から愛車を守るためや、隣地からの目隠しに。
竿掛け
駐車場のスペースをより効率的に使えるよう、カーポートを利用して雨の日に洗濯物を干したい方には、柱に竿掛けを設置することが可能です。
コンセント・照明
電気自動車の普及からコンセントを柱に設置したり、夜の帰宅時に人感センサーで点灯する照明も設置が可能です。
カーポートを設置する際の注意点
カーポートは、エクステリア工事の中で大きな面積を占めるアイテムであるため、工事のやり直しをするには大きなコストと労力を費やしてしまいます。
「もっとこうしておけば良かった…」という後悔のない工事をするには、どんなことに注意して設置すればいいのでしょうか。
住宅の窓位置への影響
駐車場のすぐ後ろが住宅の場合、注意すべき点は窓の位置です。
特に気をつけたいのは、開き窓の場合にカーポートに窓の開閉が当たらないか、当たる場合は窓より高い位置に屋根が来るように配慮が必要です。
また、リビングの窓から外を眺める際に、カーポートの屋根の位置が視線にどう影響があるか、現地でシュミレーションをして柱の長さを決めましょう。
光の透過率
屋根材によって光の透過率は異なります。
カーポートの屋根が太陽光を遮り、お部屋へ光が入らなくなってしまってはいけませんので、どの屋根材がどのくらいの透過率なのか確認しておきましょう。
屋根材のカットサンプルなどで確認をしてみたり、業者に意見を聞いて判断することをおすすめします。
最近は各メーカーでデザイン性が優れた商品も多く見られ、カーポートによって一段と外観のグレードがアップしますので、カーポート選びはとても大切です。
もし新築時にご予算の都合で同時に設置できなくても、カーポートは後付けすることが可能です。
まずは生活をしてみて、ご自身の生活スタイルに合った機能とデザイン性のものを探してみることも、失敗しないカーポート選びのひとつだと思います。
次回はこのカーポートを設置する場所となる駐車場工事についてお話しします。