エクステリア工事計画の注意点~門柱工事~
こんにちは。1級エクステリアプランナーの井出です。
前回はアプローチにおける階段工事の注意点についてお話ししました。
今回は、お家の顔である門柱工事の注意点についてお伝えしていきたいと思います。
門柱とは、表札・ポスト・門灯・インターホンを設置する場所です。
建物の雰囲気にあわせて和風・洋風・シンプルモダン・和モダン・ナチュラルなど、形状や素材の選択肢は様々。組合せ次第でよりオリジナリティのある門柱となり、お住まいの魅力や個性を際立たせます。
こちらでは、門柱に関する基本的な知識と注意点、代表的な素材などについてご紹介していきたいと思います。
機能門柱
商材メーカーが出しているアルミ製の既製品の門柱です。ユニットタイプとなっているため、現場で組み立てるものとなります。
メインとなる門柱に、表札・ポスト・門灯はいくつかのリストからお好きなタイプを選んで組み合わせていきます。
機能門柱の特徴
- 限られた場所でも設置が可能
- 汚れが取りやすい
- 施工しやすく、完成に差が生まれにくい
- オリジナリティが出しにくい
機能門柱のメリットは、スリムな商品を選べば場所を取らないことや、すっきりしたアルミの質感がお好みの方にはおすすめの商品となります。
しかし、オーダーメイドで作っていく門柱とは違って選択肢は限られたものとなるため、自由度は少ないものとなります。
造作(ぞうさく)門柱
造作門柱とはつまりオーダーメイドの門柱という意味。現場で職人さんが一から作るものとなり、下地はブロックが一般的です。
まず先に、デザイン例をいくつかご紹介していきます。
化粧ブロックのみ
ブロックの上から塗装
ブロックの上から塗装+タイル貼り
ブロックの上から塗装+ガラスブロック
全面タイル貼り
レンガ積み上げ
造作門柱の特徴
- オリジナリティが出しやすい
- 幅を大きく作れば門柱と目隠し効果を兼ねることが可能
- 汚れが取りにくい
- 仕上がりが職人の腕で異なる
造作門柱はオーダーメイドですので、表札・ポスト・門灯は多くの種類から選択が可能で、デザインの種類は無限にあります。
仕上げ塗装は多くの色や仕上げ方がありますし、タイルもサイズ、色、素材が豊富で、その組合せを変えたり、貼る位置によって全く異なる表情が生まれます。
門柱としての機能を兼ねた目隠しの壁を作ることも可能で、敷地をしっかり囲うクローズ外構にも向いています。
ただ、塗装については施工時の気候や職人の腕によるところもあり、図面上と仕上がりがまったく同等のものとならないこともあります。
また、防汚処理も可能ですが、塗装はどうしても雨垂れなどによる汚れが付着しやすいこともあり、数年後に高圧洗浄などで汚れを取るか、塗り直しをするなどの処置が必要となります。
その防止策として、門柱の上部に笠木(かさぎ)を設置することで、雨垂れが壁に直接流れないように工夫をしている造作門柱も多く見られます。
新築時の門柱計画における注意点
門柱の設置場所
門柱を設置する場所として、道路にすぐ面した場所か、玄関扉の目の前かの2個所が主に挙げられます。
道路に面した場所に設置すれば訪問者が敷地内に入らずにインターホンを押せるので防犯面で安心ですが、郵便物を取り出す際に道路前まで出ていかなければならないという面があります。
逆に、玄関扉の目の前に設置すれば郵便物はすぐに取り出せますが、セールスや勧誘などの訪問者も玄関前まで入ってくることになります。
他には、ポストと門柱を切り分けて、ポストだけ玄関付近に独立で立てるか建物外壁に設置し、表札・門灯・インターホンの機能のみにした門柱を道路近くにを残して立てる方法などもあります。
家族構成や生活スタイルを考慮して、それぞれに最適なスタイルを選びましょう。
インターホンの設置場所は早めに担当まで伝える
ハウスメーカーとの打ち合わせの最中に、インターホンを玄関ドアの横に付けるか外部の門柱に付けるか、訊かれることがあります。
門柱の設置場所でご説明したように、訪問者に玄関まで来てもらいたくない方は、外部の門柱に付けることをハウスメーカーに先に伝えてください。
建物が完成したタイミングで「インターホンは外部の門柱に付けたい」と伝えても、配線の関係上、費用をかけてやり直し工事をしなくてはならない場合があります。
インターホンは建物の工事との兼ね合いもあるため、早めの段階で設置場所を決めておきましょう。
宅配ボックスの設置
近年はマンションなどでよく見かける宅配ボックス。宅配便が届いた際に、不在でも荷物を入れておいてもらえるロッカーです。仕事や長期不在などで配達時間帯に家にいることができない方は非常に助かりますよね。
戸建て用にもそれと同じものが売られています。機能門柱と一体になっているものから、宅配ボックス単体のものまで商品の種類も多く、ご不在がちなご家庭ではよく選ばれているようです。
例えば生協で食材を定期的に注文している方や、通販で買い物をよくする方はこういう商品も検討してみてください。
次回は門柱をさらに掘り下げ、表札・ポスト・門灯についてお話しします。