エクステリア工事計画の注意点~ウッドデッキ~
こんにちは。1級エクステリアプランナーの井出です。
新型コロナウィルスの影響で弊社もリモートワークを開始するなどかなりバタバタしておりまして、少し久しぶりの更新となりました。
皆さまはお元気で過ごされていらっしゃいますでしょうか。
3月末あたりから外出自粛要請の空気が強まり、「巣ごもり」という言葉をよく聞くようになりました。
ゲームやお料理、部屋でできる運動など、「お家でできること」がいま見直されていますね。
断捨離や模様替えなど、お住まいのメンテナンスに励んでいらっしゃる方も多いようで、お住まいの一部でもある「お庭」について考える時間ができた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
せっかくあるお庭、もっと有効的に楽しく便利に活用できる方法があるんじゃないか。そう見直されている方にも参考になればと思いまして、今回からはお庭部分についてお話しをしてみようと思います。
第1回目は「ウッドデッキ」についてです。
ウッドデッキとは?その豊富なバリエーション
まず、ウッドデッキにはどのようなデザイン・使い方があるのか、一部分ですがざっとご紹介していきたいと思います。
陽気のいい季節にはのんびりお茶をしたり読書をしたり…と、夢が広がりますね。
段差を低くしてリビングの高さと揃えれば、窓を開け放って「セカンドリビング」としての機能が。夏はお子様がビニールプールなどで遊べたり、外出できない今の状況でも体を動かして遊べる空間になります。
2つの部屋を結ぶ、縁側のような役割も。
庭のスペースを取りづらい敷地面積でも、張り出しデッキで空間を活用できます。
ウッドデッキの材質いろいろ
ウッドデッキに使用される素材は大きく分けて天然木と人工木です。それぞれの特徴を挙げていきましょう。
天然木
天然木の種類には大きく分けて2種類、ソフトウッドとハードウッドに分かれます。
- ソフトウッド
素材が柔らかく加工しやすいことが特徴です。
加工しやすい分、DIYで利用されることが多いのですが、耐久性においてはメンテナンスが必要と言われています。
例:ウエスタンレッドシダー、レッドウッドなど
- ハードウッド
名前の通り硬い素材となり、その耐久性からウッドデッキにはおすすめです。
あまりメンテナンスがいらないことでランニングコストとしては魅力ですが、ソフトウッドに比べ初期費用は高い傾向にあります。
例:ウリン、イペ、セラガンバツーなど
人工木
こちらは天然木に近い風合いを残すために木粉を使用した樹脂デッキが一般的で、合成木材や再生木材とも言われています。
天然木と違い、腐食やメンテナンスの手間がないことで多くの方から支持されています。
天然木・人工木それぞれの特徴
メンテナンス
【天然木】
ソフトウッドは1~2年に1回の塗装が必要、ハードウッドはほぼメンテナンスフリー
【人工木】
ほぼメンテナンスフリー
価格
【天然木】
ソフトウッドに比べてハードウッドは割高だが、ランニングコストは抑えられる
【人工木】
ハードウッドとあまり価格差なし
上昇温度
【天然木】
夏場、素足で歩くことも可能
【人工木】
プラスチックが熱を帯びるため、高温になりやすい
耐火性
【天然木】
ハードウッドは特に火に強く、バーベキューなどの火で破損はしない
【人工木】
プラスチックが火や炭で溶けることもある
ウッドデッキ施工の注意点
デッキ下は防草対策を行う
デッキ下は狭く、人が潜りにくいため草が生えた時の手入れは大変です。
デッキ施工前に防草シートと砂利、またはコンクリートなどで防草対策を行いましょう。
虫や野生動物の住処にならないように
デッキは柱で立ち上がっている分、床下に空間が生まれます。雨風をしのげて温度と湿度が高く、生き物が住むには悪くない環境。
野生動物や害虫が侵入してこないよう、床板と地面の間を塞ぐ形でメッシュパネルやローデッキを組み合わせる方法もひとつです。
天然木での施工を考える場合は専門店に相談を
近年はDIYが流行して、ホームセンターなどでウッドデッキ用の建材も売っていたりします。しかし天然木となるとメンテナンスが必要であり、お手入れを間違えたり怠ると短期間で破損してしまう場合もあります。
天然木は素材選びから専門家のアドバイスが重要となるため、できれば専門店で一度相談されたほうが安心です。
人工木は大手商品メーカーが取り扱っていて、施工にあたっては施工基準書もあり多くの工事会社では取り扱いと施工が可能ですので、用途などのご要望を工事会社へご相談ください。
ウッドデッキまとめ
今回はウッドデッキについてお話ししてきました。
弊社がエクステリア工事をご相談いただく中で、「DIYでウッドデッキを考えているのですが、大変でしょうか?」とご質問いただくことがあります。
その場合、割と施工しやすいのが天然木のソフトウッドと思っていただいたかもしれませんが、破損しにくく、お手入れも少なくて済むハードウッドでチャレンジしていただくことがおすすめでもあります。
ホームセンターなどの専門店で材料購入のついでに相談をしながら進められたり、最近ではYouTubeなどでもDIYについて取り上げているものも多いため、参考にしていただくのもいいと思います。
しかし、先ほども申し上げましたように、DIYの経験があまりなかったり、木材に関する知識が少ないと短期間での破損に繋がってしまうこともありますので、できれば一度工事会社にご相談していただくほうが無難かと思います。
次回はウッドデッキと比較して検討されることの多い、タイルテラスについてお話しします。