フェンス設置工事を検討している方は、新築時に予算が足りなくてフェンスが立てられなかった場合、老朽化により新しいフェンスを設置したい場合、隣に家が建ったので目隠しをしたいなどの理由でご検討されている場合が多いと思います。
目隠し用なのか、侵入防止用なのか、その目的に合ったいろいろな種類のフェンスがありますので、ご予算に応じたものを選び、信頼できる施工工事会社を探して失敗のない工事をしましょう。
まずは目的に合ったフェンス選び
材質の種類
スチール:最も安価ですが経年とともに錆びが出てきます。
アルミ:形状によって金額は様々ですが、錆びが出ることはありません。
天然木:スチール・アルミに比べて金額は上がりますが自然な風合いの外観に仕上がります。年に一度は腐食処理の必要がありますが、それでも腐ってしまうことがあります。
人工木:見た目は天然木そっくりな上、カラーバリエーションも豊富です。天然木のようなメンテナンスも不要です。
アクリル:枠部分はアルミ製ですが、擦りガラスのようになっていて透過性があるので明るさを確保できます。風を通さないので、風通しを確保したい場合には不向きです。
形状の種類
メッシュ・格子:最も安価な形状で、圧迫感がありません。敷地の境界線を明確にして侵入禁止や転落防止などの目的で使用します。
目隠し:外部からの視線を完全に塞ぐため、風通しが確保できません。
半目隠し:ある程度の目隠し、風通しを確保した形状です。
ルーバー:羽の向きが変えられるので、目隠しをしたいときと風を通したいときに使い分けができます。
既成品では高さ60cm、80cm、100cm、120cmのものが主流で、同じ商品シリーズであれば連結が可能ですので、設置したい高さによって組み合わせることができます。
例えば、上部は目隠し用のものを選んで、足元は風通しを確保できるようなものを連結するなど、ご要望に合わせて上下で種類を変えることも可能です。
これらの特長をふまえて、フェンス設置の目的やお住まいの外観に合わせて商品を選んでいただければいいと思います。
主なメーカーとしてLIXIL、YKK、三協アルミがありますので、まずは工事会社から各社のカタログを見せてもらい、好みの商品をピックアップします。
道路や近隣から見える場所、見えない場所によって使用するフェンスを変えて設置することで費用を抑えることもできますので、要望と予算を施工工事会社に相談してみましょう。
フェンス設置には基礎工事が重要ポイント
フェンスは、地面にじかに設置することができません。必ず土台となる基礎を設置し、その上にフェンスを立てます。
その基礎となるのは、土地の境界線に沿って置かれたブロックで、そこに穴を開けてフェンスの柱を据えます。ブロックが積まれていない場合は新たにブロックを積むか、フェンスを立てるための独立基礎を設置しますので、その分の費用がかかってきます。
【ブロック基礎】
【独立基礎】
また、あらかじめブロックが積まれている場合でも、選ぶフェンスによっては新しいブロックを設置しなおさなければならない場合もあります。
例えば高さ160cm以上のフェンスを設置する場合や、ブロックの厚みがフェンスの柱の太さに比べてあまり余裕がない場合、ブロック自体が古くて割れやすくなってしまっている場合などに、フェンスに合ったブロックに積み直す、または既存のブロックを壊して独立基礎を設置することがあります。
これを無視してブロックとフェンスが合わない無理な設置をしようとする工事会社もいますが、強風に煽られたフェンスの柱がブロックを割ってしまったりして、工事のやり直しというトラブルに繋がります。
このような無理な工事をしようとする工事会社は優良工事会社とは言えませんので、どんなに安くても依頼しないように気をつけましょう。
フェンス設置工事の目安金額
多くの種類の中から、ご自身の目的やお住まいに合ったフェンスが決まり、それに見合った土台の有無がわかれば、フェンス設置工事の目安となる金額が決まってきます。
工事会社が仕入れる仕切り価格はそれぞれで、多く仕入れる分だけメーカーからの仕切り価格が安くなりますので、メインで取引しているメーカーは割安で仕入れることができ、依頼主への提供価格にもそれが反映する可能性が高くなります。
カタログを見てみて気に入ったメーカーが決まれば、そのメーカーに強い工事会社を探すために相見積もりをしてみるのも工事会社選びのひとつの物差しになります。
フェンスの一般的な目安金額(土台設置の場合は別途費用がかかります)
スチールメッシュ(高さ80cm)3~4千円/1m
アルミ縦格子(高さ80cm)4~5千円/1m
アルミフェンス横パネル(高さ80cm)6~7千円/1m
木調フェンス横パネル(高さ80cm)1万5千円~2万円/1m
ブロック設置の一般的な目安金額(厚み12cmの場合)
1段(高さ20cm)5千円/1m
2段(高さ40cm)8千円/1m
3段(高さ60cm)1万円/1m
※ブロックには厚みの種類があり、(10cm、12cm、15cm,20cmなど)フェンスに応じて変える必要があります。
フェンス設置工事におけるその他のポイント
地中に埋める分も計算に入れる
ご希望の高さになるように土台とフェンスの高さを足して計算しますが、地中に埋める分を仕上がりの高さから差し引いておくことを忘れないようにしましょう。
最低でも土台は地中に5cm~10cmは埋めなければならないため、例えば高さ80cmのフェンスとブロック1段(H20cm)を設置した場合は、仕上がりの高さは1mではなく、90cm前後になります。
高さの調整にも方法いろいろ
最もリクエストの多いフェンスの高さは80cmですが、もっと高さのあるフェンスを設置したい場合には、土台を積んで高さを出すこともできます。
例えば仕上がりが190cm欲しい場合、160cmのフェンスとブロック2段(H40cm)を設置するパターンのみではなく、120cmのフェンスとブロック4段(H80cm)を設置することもできます。
どちらの方法がいいかは、金額や外観で決めていただければいいと思います。
境界線ギリギリにフェンスは立てられない
自分の土地をできるだけ広く活用したいと思うのは皆さんが同じ気持ちだと思います。
土地の境界線を示すフェンスの位置を境界線ギリギリに設置したいと考えてしまいがちですが、土台のほうがフェンスより厚みがあるため、フェンスが数センチ程度境界線の内側に入らざるを得ない状態になります。
逆に、境界線ギリギリに設置してしまう工事会社は、隣の敷地内に土台の基礎が越境することを無視して設置している可能性がありますので、要注意な工事会社と言えます。